T H O U G H T S & N O T E S

ひょんなことから、先日我が家にカナダからの来訪者がありました。6歳からカナダで育ったという日本人女性と、彼女の旦那さん(韓国系カナダ人)、中国系カナダ人のビジネスパートナー、そして1歳に満たない男の子。私のクライアント先の新規取引先で、カナダからの初来社。私も「はじめまして」とご挨拶をさせて頂くことになるはずだったのですが、その前の日にプライベートでお会いすることになりました。
その理由が、周辺観光を聞かれたので利根沼田~桐生エリアをご紹介させていただく中で、先方のお子さんが我が家の三男とほぼ月齢が同じであることを知り、ご夫婦ともにアウトドアで過ごすことがお好きともお聞きしたので 片品村にお誘いしてみたら足を運んでくださるとのこと。5日ほどホテル泊だったこともあり、「一緒に離乳食はいかがですか?」と自宅へお誘いしてみたところ、是非にと。毎季節毎年たくさんのゲストが我が家と夫の運営する宿泊施設を行き交ってくれるものの、まさか離乳食を用意してゲストをお迎えする日がくるとは!人生って本当に面白い。

その日は、夫も休みがとれた日曜日。我が家も珍しく家族全員そろってゲスト4人をお迎えしたのですが、長男次男は英語のゲストにドキドキ興奮気味。小3からの英語の授業とALTの先生のおかげで、全力で照れながらも積極的にコミュニケーションをとろうとする姿が微笑ましい。個人的には、とてもきれいなアメリカ英語が耳に心地よく、抑揚やスラングも懐かしく、そして「こんな表現もあるのか」「そうか、こう言うのか」など刺激的な時間になりました。
1つ印象的だったのが、離乳食や食事用スタイをテーブルに出しながらふと目をやると、旦那さんが長男に「Where is your room?」と聞いていて、???だったシーン。いい時代だなと感じたのが、彼が翻訳アプリを出してきて、「Where is your room?」と話しかけたら「あなたのへやはどこですか」と。数分後には、長男も、自分の学習用iPadに自分で翻訳アプリをダウンロードし、2人で直接会話を始めていたこと。今までは、照れながらも「ママ、~って聞いてよ」「なんて?」と間に入るのがルティーンだったのですが、アプリを介してダイレクトにコミュニケーションが図れた今回の体験は、彼の心に深く残ったのではないかと思いたい。ほんのすこし、世界が広がったのだろうとも思いたい。と同時に、大げさは承知で「アプリでいいや」と言語学習を放棄してほしくないとも感じました。今はいいけど、親の勝手な願いとしては、そのうちまたもう一歩先の気付きがあることを期待したいです。

さて、自分ひとりではたどりつけないトピックへと誘われるのも、パートナーのいる良さとしてこの12年間感じていたのですが、 今回もまた面白い学びがありました。それは、カナダの「ポタージュ」という文化。辞書で調べると「〔ある水路から別の水路までの〕連水陸路」「ポーテージ、ポーティジ(英語:Portage)は、英語で「運搬」、「陸路輸送」などを意味する言葉。」。少し調べてみると、由来としてはフランス語の動詞(porter/ポーター)で、英語では『運搬』『着用』などいくつかの意味があるとのこと。
夫を介した会話の中で、片品村がウィンタースポーツ、尾瀬をはじめとするトレッキング、山登り、フライフィッシング、そして近年は片品村の中でも特に標高の高いエリアにある湖でのSUPやカヌーも人気であるという話になった時のこと。カナダのその雄大な自然については私が言及する間でもありませんし、もちろん様々なアウトドアアクティビティがあることも想像がつきますが、旦那さんが「カナダは湿地や沼・湖がとても多くて、そんなエリアだとカヌーを担いで湖をホッピングしていくような楽しみ方もするよ」と教えてくれたのです。私の英語力ではカヌーを担ぐと聞こえたのですが、私の理解が正しいのかが分からず、聞き直しました。すると、「Yeah, like I said, you hold your canoe like this and walk from…」とやはりヨイショと担ぐという。まだ半信半疑だった私を前に、Googleで画像検索をしてくれ、この黄色いサインを見て心底驚くとともに納得。

Google画像検索にて「portage canadian canoe sign」と検索

後日調べてみると、川や湖を船で航行する際に一時的に陸路で移動し、再度水路に戻る場面でportageが行われるという。この行為自体は確かに少し技術が必要で、カヌーやカヤックのような船舶を用いたアウトドア活動や探検においては必要不可欠なスキルとも言えるそう。大自然における冒険やチャレンジを楽しむ人には馴染みのある概念とのことですが、私は初めて出会いました。
Wikipediaで調べると、次のように出てきます。Portage or portaging (CA: /pɔːrˈtɑːʒ/US/ˈpɔːrtɪdʒ/) is the practice of carrying water craft or cargo over land, either around an obstacle in a river, or between two bodies of water. A path where items are regularly carried between bodies of water is also called a portage. The term comes from French, where porter means “to carry”, as in “portable”. In Canada, the term “carrying-place” was sometimes used.

最近は、知らない単語に出会う際に、その言葉が異なる言語では存在しないことや知らない概念に出会うことが特に面白い。人生で、まだまだ知らない概念に出会いたいと強く思いました。

※写真は今冬も終わり頃の、富士見峠の写真。なんとも表現し難い素晴らしい景色を、家族と姉家族と一緒に見られました。